博物館のピアノの手入れ

もうかれこれ、この博物館で仕事をするようになってから、30年以上になります。

エラールという、フランスの有名なブランドの、大きなグランドピアノです。鍵盤数は90あります。

1911年ですから、もう100年前のものです。現代のピアノとは少し構造が違います。現代のピアノほどは大きな音はしませんが、よく通る音です。あたたかみのある、やさしい音色です。

ダンパーという、音を止める機構の動きが悪くなっているところがいくつかあったものの、それ以外は非常に安定した状態にありました。音程も、安定しています。

この建物の構造、空調などが優れていること、また、学芸員さんをはじめとするスタッフのみなさんの、楽器に対する愛情のおかげだと、感心しました。

 

ピアノのハンマーの手入れ

ピアノのハンマーをととのえる

ピアノのハンマーの形をととのえました。長年使っていると、弦にあたる部分がいたんできます。よく使うところと、あまり使わないところの差が大きくなり、音色がばらばらになってきます。

ピアノのハンマーをととのえる

それで、ハンマーを、やすりでこすって、きれいな形に戻してやるわけです。

このピアノは相当古く、おまけに自動演奏装置がついているので、ハンマーはかなり消耗しています。