博物館のピアノの手入れ

もうかれこれ、この博物館で仕事をするようになってから、30年以上になります。

エラールという、フランスの有名なブランドの、大きなグランドピアノです。鍵盤数は90あります。

1911年ですから、もう100年前のものです。現代のピアノとは少し構造が違います。現代のピアノほどは大きな音はしませんが、よく通る音です。あたたかみのある、やさしい音色です。

ダンパーという、音を止める機構の動きが悪くなっているところがいくつかあったものの、それ以外は非常に安定した状態にありました。音程も、安定しています。

この建物の構造、空調などが優れていること、また、学芸員さんをはじめとするスタッフのみなさんの、楽器に対する愛情のおかげだと、感心しました。

 

ひまわり文庫をたずねました

高槻市の団地の一部屋に、「ひまわり文庫」はあります。休みの日になると、こどもたちが集まってきて、本を読んだり、おはなしをしたり、ピアノをひいたり、歌ったりします。海老ケ瀬(えびがせ)正三さん。それまでつとめていたコンピューターの会社を30代でやめて、その頃はまだめずらしかった保父さんに。そのためにピアノも一から はじめました。いまでは保育士さんといいますね。

ひまわり文庫
ひまわり文庫

こどもむけの本は、サラリーマンをしていたころから 少しづつ買いだめしていたそうです。「ひまわり文庫」をはじめるためです。資格をとって、近くの保育園ではたらきつつ、休みの日には、文庫をひらいています。

今では5000~6000冊の本があるそうです。部屋中、ぎっしりです。

長くつとめていた保育園も、5年ほど前に定年になり、今は非常勤です。リウマチをわずらい、一頃は 歩くこともむつかしいほどでしたが、それでも文庫のことには 力がはいります。